変形性膝関節症の手術費用と保険適用、高額療養費まで詳しく解説!

変形性膝関節症 手術費用
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変形性膝関節症は中高年の方にとって身近な病気で、手術が必要なケースも少なくありません。

この記事では、変形性膝関節症の手術の種類を、関節鏡手術、人工関節置換術、骨切り手術といった具体的な方法を挙げながら解説します。

さらに、気になる費用面も、3割負担で約7.5万円から約80万円と幅があること、高額療養費制度で自己負担額を軽減できることなど、具体的な金額を提示しながら詳しく説明します。

手術の種類によって費用や入院期間が大きく異なるため、この記事を読めば、ご自身に最適な手術方法を検討する上で役立つ情報が得られます。不安を解消し、前向きな気持ちで治療に取り組むためにも、ぜひ最後までお読みください。

変形性膝関節症手術の種類とそれぞれの特徴

変形性膝関節症 手術費用

変形性膝関節症の手術となると、どうしても不安が大きくなってしまうものです。「どんな手術があるの?」「費用はどれくらいかかるの?」「入院はどれくらいするの?」など、気になる点はたくさんあるでしょう。

この章では、変形性膝関節症の手術の種類とそれぞれの特徴について、高齢の患者様にもわかりやすく、具体的な費用なども含めて解説します。

手術に対する理解を深め、不安を少しでも和らげ、前向きな気持ちで治療に取り組むためのお手伝いができればと思っています。

関節鏡手術の特徴と費用

関節鏡手術は、小さな傷口からカメラと細い手術器具を関節内に入れて行う手術です。お腹を切る開腹手術のように大きく切らないため、体への負担が少ないのが特徴です。

例えば、内視鏡検査を受けたことがある方はイメージしやすいかもしれません。

内視鏡検査では、口や鼻から細い管を入れて、食道や胃の中を直接観察しますよね。関節鏡手術もこれと似たようなもので、関節鏡というカメラを使って関節の中を直接見ながら、損傷した半月板(膝関節の中にあるクッションの役割をする組織)の一部を取り除いたり、関節内で炎症を起こしている滑膜(関節を包む膜)を切除したり、関節ネズミ(関節の中で剥がれた骨や軟骨のかけら)を取り除いたりします。

変形性膝関節症の初期段階で、半月板が損傷している場合や、関節内に遊離体(関節ネズミ)がある場合などに有効です。費用は3割負担の方で約7.5万円、1割負担の方で約2.5万円が目安です。最近では健康保険の適用範囲が広がり、高額な医療費がかかるイメージのある手術も、以前と比べると費用を抑えられるようになってきました。

入院期間は日帰りから3日程度と比較的短く、早期の社会復帰が期待できます。とはいえ、手術後は痛みや腫れが出ることもありますので、無理をせず、医師の指示に従ってリハビリテーションを行うことが大切です。

人工関節置換術の特徴と費用

人工関節置換術は、変形してしまった膝関節を人工関節に取り替える手術です。

例えるなら、錆びて動かなくなったドアの蝶番を新しいものに取り替えるようなものです。人工関節は耐久性のある金属やセラミック、ポリエチレンなどで作られています。

変形性膝関節症が進行し、痛みや関節の動きの制限が強く、日常生活に支障が出ている場合に検討されます。保存療法(手術以外の治療法)で効果が得られない場合にも、この手術が選択されることがあります。

手術費用は、3割負担の方で約60~80万円、1割負担の方で約20~26万円程度です。費用は人工関節の種類や医療機関によって異なるため、事前に確認することをお勧めします。

入院期間は3~4週間程度で、リハビリテーションも必要となります。

人工関節置換術は、痛みを和らげ、膝の機能を回復させる効果が高い手術です。しかし、人工関節の寿命は限られています。そのため、高齢者の方や活動性の低い方にとっては非常に有効な治療法ですが、若い方や活動性の高い方の場合には、人工関節の寿命や再手術の可能性も考慮する必要があります。

骨切り手術特徴と費用

骨切り手術は、膝の骨を切って変形を矯正する手術です。人工関節置換術のように関節を人工物に置き換えるのではなく、患者さん自身の骨の形を調整することで、膝への負担を軽減し、痛みを和らげます。

比較的若い方で、変形が一部に限られている場合に適しています。

高位脛骨骨切り術(脛骨:すねの骨)が代表的な手術方法です。この手術では、脛骨の上の部分を切って、膝関節の軸を調整することで、体重がかかる部分を移動させ、痛みを軽減します。

費用は3割負担で約45万円、1割負担で約15万円が目安です。

入院期間は4~5週間程度で、リハビリテーションも重要です。

骨切り手術は、人工関節置換術に比べて、自分の骨を残せるというメリットがあります。

しかし、骨がくっつくまでにある程度の期間が必要となるため、人工関節置換術に比べると、社会復帰までにより時間がかかる場合があります。

その他の治療法との比較

変形性膝関節症の治療法は、手術以外にも、薬物療法、ヒアルロン酸注射、リハビリテーションなど、さまざまな方法があります。

これらの保存療法は、手術に比べて体への負担が少なく、費用も抑えられるというメリットがあります。変形の程度が軽度から中等度の場合は、まず保存療法を試みることが一般的です。

保存療法には、痛みや炎症を抑える薬物療法、関節の動きを滑らかにするヒアルロン酸注射、筋力トレーニングやストレッチなどのリハビリテーションなどがあります。これらの治療法を組み合わせることで、症状の改善を図ります。

しかし、保存療法で効果が得られない場合や、症状が進行している場合は、手術が必要となることもあります。

どの治療法が適切かは、患者さんの状態や生活スタイルなどを考慮して、医師とよく相談しながら決めることが大切です。ご自身の状態に合った治療法を選択するために、医師とのコミュニケーションを大切にしてください。

手術費用と保険適用に関する具体的情報

変形性膝関節症 手術費用

膝の痛みは、日常生活に大きな影を落とします。特に、階段の上り下りや正座といった動作が困難になると、QOL(生活の質)は著しく低下してしまいます。

手術を選択肢として考える場合、費用面は大きな懸念事項でしょう。

この章では、変形性膝関節症の手術費用と保険適用について、具体的な金額や制度を交えながら分かりやすく解説します。

手術費用の内訳(入院費用、薬剤費、リハビリ費用)

手術費用と聞くと、手術そのものにかかる金額だけを想像しがちですが、実際には入院費用、薬剤費、リハビリ費用など、様々な費用が含まれています。それぞれの内訳を具体的に見ていきましょう。

まず、入院費用には、病室の費用(部屋代)、食事代、検査費用、看護師さんによるケア費用などが含まれます。個室を希望する場合は、差額ベッド代と呼ばれる追加費用が発生します。

一般病棟の4人部屋であれば差額ベッド代は発生しない場合が多いですが、個室を希望する場合は1泊5,000円から20,000円程度の追加費用が必要となる場合もあります。食事代は1食あたり110円から490円程度が一般的です。

次に、薬剤費は、手術中に使用する薬剤や、手術後の痛み止め、感染症予防のための抗生物質などの費用です。リハビリ費用は、手術後に膝の機能回復のためのリハビリテーションを受ける際にかかる費用で、理学療法士さんによる指導料などが含まれます。

これらの費用は手術の種類や入院期間、使用する薬剤、リハビリの頻度などによって大きく変動します。一概にいくらとは言えませんが、手術費用全体のおよそ10~20%程度がこれらの費用に充てられると考えておくと良いでしょう。

保険適用の範囲と自己負担額の計算

変形性膝関節症の手術は、健康保険の適用となるものがほとんどです。

健康保険が適用されると、患者様の自己負担額は医療費全体の1割、2割、または3割になります。70歳未満の方は原則3割負担、70歳以上の方は所得に応じて1割または2割負担となります。

自己負担額の計算方法は、(手術費用+入院費用+薬剤費+リハビリ費用)× 自己負担割合です。

例えば、総費用が100万円で3割負担の場合は、自己負担額は30万円となります。

保険適用されないケース

ほとんどの変形性膝関節症の手術は保険適用ですが、一部、適用外となるケースもあります。

例えば、先進医療と呼ばれる最新技術を用いた治療や、患者様の希望でより高価な医療材料を使用する場合などです。

また、個室の差額ベッド代や食事代の一部なども保険適用外となる場合があるので、事前に病院で確認することをお勧めします。

高額療養費制度の利用方法と手続き

手術費用が高額になった場合でも、高額療養費制度を利用することで自己負担額を軽減できます。

この制度は、1ヶ月間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分が後で払い戻されるというものです。

限度額は年齢や所得によって異なり、申請手続きが必要です。病院の窓口で申請書類を受け取り、必要事項を記入して提出します。手続きには健康保険証や印鑑、場合によっては所得を証明する書類などが必要になります。

松本 美衣
松本 美衣

保険適用と自己負担の仕組み

患者さんが最も気にされるのが「いくらかかるのか」という手術費用の問題です。日本の健康保険制度では、人工膝関節置換術は保険適用となり、患者さんの自己負担は通常3割です(70歳以上は1〜2割)。実際には、入院期間や使用する人工関節の種類によって費用は変わりますが、平均して患者さんの自己負担額は20〜30万円ほどです。

高額療養費制度を利用すると更に負担が軽減されるので、「手術を受けたいけれど費用が心配」という患者さんには、まず医療ソーシャルワーカーに相談することをお勧めしています。

限度額適用認定証の取得方法と必要書類

高額療養費制度を利用する場合、「限度額適用認定証」を事前に取得しておくと便利です。

この認定証を病院の窓口に提示することで、高額な医療費を支払った後に払い戻しを受けるのではなく、最初から自己負担限度額までしか支払わなくて済みます。

窓口での負担が軽減されるため、経済的な負担を少なくできます。

限度額適用認定証は、加入している健康保険組合や市区町村の窓口で申請できます。申請に必要な書類は健康保険証、印鑑、そして所得を証明する書類などです。

手術を受けるかどうかは、患者様にとって大きな決断です。費用面も含めてしっかりと理解した上で、医師とよく相談し、ご自身に最適な治療法を選択してください。

まとめ

変形性膝関節症 手術費用

変形性膝関節症の手術には、関節鏡手術、人工関節置換術、骨切り手術などがあり、それぞれ費用や入院期間、適応などが異なります。

健康保険適用で費用負担は軽減されますが、高額療養費制度や限度額適用認定証の活用も検討しましょう。

どの手術が最適かは、年齢や症状の進行具合、生活スタイルによって変わるため、医師とじっくり相談することが大切です。

手術は不安も伴いますが、しっかりと理解することで、痛みを和らげ、快適な日常生活を取り戻すための第一歩を踏み出せます。

参考文献

  1. Aljehani MS, Christensen JC, Snyder-Mackler L, Crenshaw J, Brown A, Zeni JA Jr. Knee biomechanics and contralateral knee osteoarthritis progression after total knee arthroplasty. Gait & posture 91, no. (2022): 266-275.
  2. Price A, Allum R. Management of osteoarthritis of the knee. Annals of the Royal College of Surgeons of England 92, no. 6 (2010): 459-62.
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