あなたは階段の上り下りや正座で膝の痛みを感じたことはありませんか?もしかしたら、それは変形性膝関節症かもしれません。世界で約6億5400万人が悩まされているこの病気は、日常生活に深刻な支障をきたす可能性があります。しかし、最新の研究で、コラーゲン摂取が変形性膝関節症の痛みを和らげる効果があることが示唆されているのです。
この記事では、変形性膝関節症とコラーゲン摂取の効果について、専門医の監修のもと分かりやすく解説します。コラーゲンとは何か、なぜ膝の痛みに効果があるのか、そして効果的な摂取方法や注意点まで、詳しくご紹介します。
45歳以上で膝の痛みや朝のこわばりを感じている方は、特に注意が必要です。この機会に、あなたの膝の健康について深く理解し、痛みから解放される一歩を踏み出してみませんか?
コラーゲン摂取による効果や、手術以外の治療法、そして専門医に相談するメリットについても詳しく解説しますので、ぜひ読み進めてください。
目次
変形性膝関節症におけるコラーゲン摂取の効果とメカニズム

膝の痛み、特に階段の上り下りや正座の際に感じる痛みは、年齢を重ねるにつれて多くの方が経験することです。もしかしたら、それは変形性膝関節症のサインかもしれません。この病気は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
実はこの変形性膝関節症の痛みを和らげる方法として、コラーゲン摂取が注目を集めています。
この章では、変形性膝関節症の痛みに対するコラーゲン摂取の効果や、そのメカニズムについて、できるだけ専門用語を使わずに、わかりやすく解説していきます。
コラーゲンとは?種類と効果
コラーゲンは、私たちの体を作るタンパク質の一種です。肌のハリや弾力を保つだけでなく、骨や軟骨、腱など、体の様々な組織を作る上で欠かせない成分です。
私たちの体は、自分でコラーゲンを作り出すことができます。しかし、残念なことに、年齢を重ねるごとにその量は減少していきます。
コラーゲンにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。
- I型コラーゲン: 主に皮膚や骨、腱などに存在し、ハリや弾力を維持する役割を担っています。
- II型コラーゲン: 軟骨の主要な構成成分であり、関節のクッションのような役割を果たしています。
- III型コラーゲン: I型コラーゲンと協力して、組織の柔軟性を保つ役割を担っています。
変形性膝関節症の改善には、特にII型コラーゲンが重要です。
変形性膝関節症の痛みを軽減するメカニズム
変形性膝関節症は、加齢や肥満、激しい運動などによって、膝関節の軟骨がすり減ってしまう病気です。軟骨は、骨と骨が直接ぶつかり合うのを防ぐクッションの役割を果たしています。そのため、軟骨がすり減ると、骨同士がこすれ合ってしまい、炎症や痛みが引き起こされます。
変形性膝関節症の患者さんの数は世界中で約6億5400万人と推定されており、決して他人事ではありません。45歳以上で、活動に伴う膝関節痛があり、朝のこわばりが30分未満の場合は、変形性膝関節症の可能性が高いとされています。
コラーゲン、特にII型コラーゲンを摂取すると、すり減ってしまった軟骨の修復を助ける効果が期待できます。また、炎症を抑えたり、関節の動きを滑らかにする潤滑作用を高めたりすることで、痛みを軽減する可能性があります。
最新研究で明らかになったコラーゲンの効果
近年の研究では、コラーゲン摂取が変形性膝関節症の痛みに対して有効である可能性が示唆されています。
例えば、ある研究では、変形性膝関節症の患者さんにII型コラーゲンを摂取してもらった結果、偽薬(プラセボ)を摂取したグループと比べて、痛みが有意に軽減されたという報告があります。また、別の研究では、コラーゲン摂取によって関節の動きがスムーズになったという結果も報告されています。
効果的なコラーゲンの摂取方法と注意点

コラーゲンは、変形性膝関節症の痛みを和らげる効果が期待されています。コラーゲンは、体内に存在するタンパク質の一種で、肌のハリや弾力を保つだけでなく、骨や軟骨、腱など、体の様々な組織を作る上で欠かせない成分です。
効果的なコラーゲンの摂取方法(種類、量、タイミング)
変形性膝関節症に効果が期待できるのは、II型コラーゲンです。II型コラーゲンは関節軟骨の主要な構成成分であるため、軟骨の再生を促進する効果が期待できます。
コラーゲンの摂取量は、1日5~10gが目安です。食事からも摂取できますが、サプリメントを利用するのも良いでしょう。コラーゲンサプリメントは様々な種類が販売されているので、ご自身の症状やライフスタイルに合わせて選びましょう。
摂取タイミングは特に決まりはありませんが、毎日継続して摂取することが大切です。
コラーゲン摂取の注意点と副作用
コラーゲンは食品やサプリメントから摂取することができます。
しかし、過剰に摂取すると、消化不良を起こしたり、アレルギー反応が出たりする可能性があります。適切な量を守って摂取することが大切です。
また、コラーゲンは薬ではないため、すぐに効果を実感できない場合もあります。効果が現れるまでには時間がかかることもあるので、焦らずに継続して摂取することが重要です。もし、気になることや心配なことがあれば、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。

患者さんとの対話から学んだこと
膝の痛みがある患者さんには必ず日常生活の様子を詳しく聞くようにしています。
意外だったのは、コラーゲンサプリメントを継続して飲んでいる方の多くが「朝のこわばり感が減った」と報告してくれることです。
数値では測れない感覚ですが、特に冬場の朝起きた時の膝の動かしやすさが違うと言われます。このような体験談は、臨床現場では重要なヒントになっています。
変形性膝関節症の症状と対策4選

膝の痛みは、年齢を重ねるごとに多くの方が経験する悩みです。特に、中高年の方にとって変形性膝関節症は日常生活に大きな影響を与える可能性があります。この記事では、変形性膝関節症の症状と対策について、最新の研究結果も踏まえながら、わかりやすく解説します。
変形性膝関節症の主な症状
健康な膝は、まるで滑らかな氷の上をスケートしているかのように、関節がスムーズに動きます。これは、関節軟骨と呼ばれるクッションが、骨と骨の摩擦を防いでいるからです。しかし、変形性膝関節症になると、この軟骨がすり減ってしまい、骨同士がぶつかり合うようになります。
初期症状としては、立ち上がりや歩き始めに軽い痛みを感じることがあります。最初は「少し痛いな」程度で、しばらく休むと治まることが多いです。しかし、病気が進行すると、安静時でも痛みが続くようになり、正座や階段の上り下り、しゃがむ、立つといった動作が困難になってきます。
さらに、炎症によって関節に水が溜まり、腫れや熱感を伴うこともあります。「膝にお水が溜まっている」と表現されることもあります。
また、軟骨がすり減って骨同士がこすれ合うことで、膝を動かした際にゴリゴリ、コキコキという音が鳴ったり、引っかかりを感じたりすることもあります。まるで、古いドアを開けるときにギーギーと音が鳴るようなものです。これらの症状は、日常生活の質を著しく低下させる可能性があります。世界中で約6億5400万人が変形性膝関節症に罹患していると推定されており、決して他人事ではありません。
45歳以上で、活動に伴う膝関節痛があり、朝のこわばりが30分未満の場合は、変形性膝関節症の可能性が高いとされています。
コラーゲン摂取以外の治療法
変形性膝関節症の治療は、大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。
保存療法とは、手術以外の方法で症状を改善させる治療法です。
具体的には、薬物療法、運動療法、装具療法、物理療法などがあります。
薬物療法では、痛みや炎症を抑える薬を使用します。
運動療法では、太ももの筋肉を鍛えることで膝への負担を軽減します。
装具療法は、膝関節を支えることで痛みを和らげます。
物理療法には、温熱療法や電気刺激療法などがあります。これらの治療法は、患者さんの症状や病状に合わせて組み合わせて行われます。
手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に検討されます。
人工膝関節置換術は、損傷した膝関節を人工関節に置き換える手術です。人工膝関節置換術においては、近年、インプラントの長寿命化のために、中立な機械的アライメント(MA:Mechanical Alignment)を達成することが目標とされてきました。しかし、近年、個別化されたアライメント技術への関心が高まっており、従来のMAから徐々に離れつつあります。
また、マニュアルセラピー(理学療法士や作業療法士などによって行われる、関節の可動域改善や疼痛緩和などを目的とした徒手療法)も、痛みの軽減や関節可動域、機能改善に効果があるという研究結果も報告されています。
▼変形性膝関節症の手術について、以下でも解説しています。
専門医に相談するメリット
変形性膝関節症は進行性の病気であるため、早期に発見し、適切な治療を開始することが大切です。
膝に痛みを感じたら、自己判断せずに整形外科の専門医に相談しましょう。専門医は、患者さんの症状や病状に合わせて、最適な治療法を提案してくれます。
また、最新の研究に基づいた情報提供やセカンドオピニオンの提供なども行ってくれますので、安心して治療を受けることができます。
まとめ

いかがでしたか?この記事では、変形性膝関節症とコラーゲン摂取の効果について解説しました。
加齢や生活習慣により発症する変形性膝関節症は、膝の痛みを引き起こし、日常生活に支障をきたす可能性のある病気です。しかし、コラーゲン、特にII型コラーゲンを摂取することで、すり減った軟骨の修復を助け、痛みを軽減する効果が期待できることが、最新の研究で示唆されています。
コラーゲンは食品やサプリメントから摂取可能ですが、過剰摂取には注意が必要です。また、効果には個人差があり、すぐに実感できない場合もあります。継続的な摂取と、医師や薬剤師への相談が大切です。
膝の痛みにお悩みの方、変形性膝関節症が気になる方は、まずはお気軽に整形外科医にご相談ください。適切な診断と治療によって、痛みを和らげ、快適な生活を取り戻せるよう、専門医がサポートします。 早期発見・早期治療が、より良い生活の質につながります。
参考文献
- Tsokanos A, Livieratou E, Billis E, Tsekoura M, Tatsios P, Tsepis E and Fousekis K. “The Efficacy of Manual Therapy in Patients with Knee Osteoarthritis: A Systematic Review.” Medicina (Kaunas, Lithuania) 57, no. 7 (2021): .
- Karasavvidis T, Pagan Moldenhauer CA, Haddad FS, Hirschmann MT, Pagnano MW and Vigdorchik JM. “Current Concepts in Alignment in Total Knee Arthroplasty.” The Journal of arthroplasty 38, no. 7 Suppl 2 (2023): S29-S37.
- Duong V, Oo WM, Ding C, Culvenor AG and Hunter DJ. “Evaluation and Treatment of Knee Pain: A Review.” JAMA 330, no. 16 (2023): 1568-1580.

-情報提供医師
松本 美衣 Mie Matsumoto
和歌山県立医科大学 医学部 卒業
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