膝の痛み、年齢のせいだと諦めていませんか?実は、その痛み、ふくらはぎの硬さが原因かもしれません。
ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、血液循環に重要な役割を果たしています。しかし、ふくらはぎが張って痛くなったり硬くなると、このポンプ機能が低下し、膝への負担が増加。結果として、ひざの痛みや変形性膝関節症のリスクを高めてしまうのです。
この記事では、ふくらはぎの痛みや硬さとの膝痛の驚くべき関係、そして変形性膝関節症との関連性について詳しく解説します。
簡単なセルフチェック方法もご紹介するので、ご自身のふくらはぎの状態をチェックしながら、健康な膝を取り戻すためのヒントを見つけてみてください。
目次
ふくらはぎの硬さと膝痛の関係を徹底解説

まるで、シーソーのようにバランスをとっている私たちの体。実は、膝の痛みとふくらはぎの硬さには、深い関係があるんです。ふくらはぎが硬いと、膝への負担が増えて痛みが出やすくなってしまうのです。
ここでは、ふくらはぎの痛みや硬さと膝痛の関係について、一緒に詳しく見ていきましょう。高齢の患者様からもよくご相談いただく内容ですので、ぜひ最後までお付き合いください。
ふくらはぎの筋肉の役割と膝への影響
ふくらはぎの筋肉は、第二の心臓とも呼ばれ、下半身に溜まった血液を心臓に戻すポンプのような役割を果たしています。
特に、歩く時に地面を蹴り出す際に重要な働きをする筋肉です。
例えば、散歩で1時間歩くと、ふくらはぎの筋肉は何千回も収縮と弛緩を繰り返します。この繰り返しの動きが、血液循環をスムーズに保つために不可欠なのです。
しかし、ふくらはぎの筋肉が張って痛み、硬くなると、足首の動きが悪くなりスムーズに地面を蹴り出すことができなくなります。
これは、ポンプがうまく作動しなくなった状態と同じです。足首の動きが悪くなると、膝を伸ばしたり曲げたりする際に、余計な力が加わってしまうのです。
その結果、膝に負担がかかり、痛みが生じやすくなります。
ふくらはぎが硬くなると膝に痛みが生じるメカニズム
ふくらはぎが硬くなると、アキレス腱も硬くなってしまいます。アキレス腱とは、ふくらはぎの筋肉と踵の骨をつないでいる腱です。
アキレス腱が硬くなると、足首が十分に曲がらず、歩行時にかかとが地面に着くときの衝撃をうまく吸収できなくなります。
例えば、アスファルトの上を歩くことを想像してみてください。ふくらはぎとアキレス腱が柔軟であれば、着地の衝撃を和らげることができます。
しかし、これらが硬いと、衝撃は吸収されずに膝に直接伝わってしまい、膝の痛みを引き起こしてしまうのです。
さらに、ふくらはぎが硬いと、足首の動きが悪くなるため、膝関節の動きも制限されてしまいます。
危険信号!こんな症状は要注意
ふくらはぎの硬さと膝の痛み以外にも、以下のような症状が現れたら要注意です。これらの症状は、変形性膝関節症の初期症状である可能性があります。
- ふくらはぎが張って痛い
- 足首が動きづらい
- 階段の上り下りで痛みが増す
- 正座やしゃがみ込みが難しい
- 膝に水が溜まっている感じがする
- 膝が腫れている
- 立ち上がり時に膝が痛む
- 歩行時に膝がカクカクする、音が鳴る
これらの症状は、初期の変形性膝関節症でよく見られます。
「年のせいだから…」と放置せずに、少しでも気になることがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。早期発見、早期治療が大切です。
ふくらはぎの硬さをセルフチェックする方法
椅子に座り、片方の足をもう片方の足の太ももに乗せます。そして、つま先を上に持ち上げてみてください。
この時、足首が硬くてつま先があまり上がらない場合は、ふくらはぎが硬くなっている可能性があります。
また、ふくらはぎを指で押してみて、痛みや硬さを感じる場合も、ふくらはぎが硬くなっているサインです。
このセルフチェックは、ご自宅で簡単に行えますので、ぜひ試してみてください。
変形性膝関節症とふくらはぎの関係
膝の痛みのご相談は、幅広い年代で悩みの種です。高齢の患者様からもよくご相談をいただきます。
ここでは、ふくらはぎの硬さと膝痛の関係、そして変形性膝関節症との関連について、一緒に詳しく見ていきましょう。
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減ったり、変形したりすることで、炎症や痛みが起こる病気です。
軟骨は、骨と骨が直接ぶつかり合うのを防ぐ、いわば「衝撃吸収材」のようなもの。この軟骨がすり減ると、骨同士がこすれ合って炎症を起こし、痛みが生じるのです。
加齢や肥満、激しい運動、遺伝などが原因となることがあります。
初期には、立ち上がりや歩き始めなどに痛みを感じることが多いです。進行すると、安静時にも痛みを感じるようになり、膝の曲げ伸ばしが困難になることもあります。
変形性膝関節症によるふくらはぎの痛みの特徴
変形性膝関節症になると、膝の痛みをかばうために歩き方が無意識に変わってしまい、ふくらはぎの筋肉に負担がかかりやすくなります。
例えば、右膝が痛い場合、無意識に左足に重心をかけて歩くようになります。すると、左側のふくらはぎに負担がかかり、痛みや張り、むくみなどが現れることがあります。
また、膝の動きが悪くなることで、ふくらはぎの血液循環も悪化し、さらに痛みやむくみを増強させる可能性があります。
ふくらはぎの痛みは、特に歩行時に強く感じられることが多いです。「長く歩けない」「階段を降りるときは片足ずつ」「しゃがめない」「和式のトイレは無理」といった状態に陥ることもあります。
ふくらはぎのケアで変形性膝関節症の進行を予防
ふくらはぎのケアは、変形性膝関節症の進行を予防する上でとても大切です。ふくらはぎの筋肉を柔らかく保つことで、膝への負担を軽減し、痛みを和らげることができます。
ふくらはぎの筋肉は、下半身の血液を心臓に戻すポンプのような役割を果たしています。「第二の心臓」とも呼ばれるほど重要な役割です。
ふくらはぎが硬いと、このポンプ機能が低下し、膝関節への血流が悪くなります。血流が悪くなると、炎症が長引きやすく、結果として変形性膝関節症の進行を早めてしまう可能性があります。
逆に、ふくらはぎが柔軟であれば、血行が促進され、膝関節の炎症を抑える効果も期待できます。

見落とされやすい関連性
多くの患者さんは膝の痛みを訴えて来院しますが、実はふくらはぎの痛みも併せて感じていることが少なくありません。
診察で詳しく聞くと「膝が痛い日はふくらはぎも張る感じがする」と答える方が多いのです。
私は膝関節症の診察では必ずふくらはぎの状態も確認するようにしており、この二つの症状の関連性を見逃さないことが適切な治療につながると実感しています。
ストレッチやマッサージでふくらはぎを柔らかくする方法

ふくらはぎを柔らかくするには、ストレッチやマッサージが効果的です。
ストレッチは、アキレス腱を伸ばすように、壁に手をついて片足を後ろに引き、ふくらはぎを伸ばします。15~20秒程度伸ばしたら、反対側の足も同様に行います。
マッサージは、ふくらはぎの筋肉を手で優しくもみほぐします。入浴後など、体が温まっている時に行うとより効果的です。
クリームやオイルを使用すると、よりスムーズにマッサージできます。ただし、強く押しすぎると筋肉を傷める可能性があるので、優しく行うことが大切です。
エクササイズボールや、フォームローラーと呼ばれる健康器具を使用してマッサージするのも手軽でおすすめです。最近では百円ショップなどでも手に入ります。
専門家による治療法と日常生活での注意点
変形性膝関節症の治療は、症状の程度によって異なります。
初期の軽症の場合、痛み止めやヒアルロン酸注射などの保存療法が中心となります。ヒアルロン酸は、関節液の主成分であり、関節の動きを滑らかにする働きがあります。
症状が進行している場合、人工関節置換術などの手術が必要になる場合もあります。人工関節置換術とは、傷ついた関節を人工関節に置き換える手術です。
日常生活では、適度な運動、体重管理、膝に負担をかけない姿勢や動作を心がけることが大切です。ウォーキングや水中ウォーキングなど、膝への負担が少ない運動を積極的に行いましょう。また、肥満は膝への負担を増大させるため、適切な体重管理も重要です。
▼変形性膝関節症に効果的な筋トレを以下でご紹介しています。併せてご参考ください。
まとめ

膝の痛みとふくらはぎの硬さの関係、ご理解いただけましたか?
つらい膝の痛みは、ふくらはぎの硬さが原因かもしれません。椅子に座ってできる簡単なセルフチェック方法もご紹介しましたので、ぜひ試してみてくださいね。
ふくらはぎを柔らかくすることで、膝への負担を軽減し、痛みを和らげることができます。ストレッチやマッサージでふくらはぎのケアを習慣にして、快適な毎日を送りましょう。
少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することも大切です。
参考文献

-情報提供医師
松本 和樹 Kazuki Matsumoto
和歌山県立医科大学 医学部 卒業
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