【写真で解説】変形性膝関節症の効果的な筋力トレーニング5選!

変形性膝関節症 筋トレ
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加齢とともに誰にでも起こりうる変形性膝関節症。 膝の軟骨がすり減り、痛みや腫れを引き起こすこの病気は、放置すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

しかし、諦める必要はありません!

この記事では、自宅で簡単にできる変形性膝関節症に効果的な筋力トレーニング5選を紹介。

また、 ジムに通う方にもおすすめのマシンと使い方を、写真付きで解説しています。

JAMAの研究結果も踏まえ、高強度トレーニングの落とし穴と、適切な負荷の重要性も解説します。

さらに、膝の痛みを軽減するメカニズム、効果的なセット数や回数のガイドライン、そして日常生活での注意点や予防策まで、網羅的にご紹介します。

変形性膝関節症の予防と進行を遅らせるための具体的な方法、そして、専門家によるアドバイスが必要なケースについても触れ、あなたの膝の健康をサポートします。 今すぐ、健康な膝を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう!

筋力トレーニングによる痛み軽減のメカニズム

変形性膝関節症 筋トレ

変形性膝関節症の痛みは、加齢とともに膝関節の軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかることで生じます。さらに、炎症が起こることで、ズキズキとした痛みが強くなります。

実は、変形性膝関節症の場合、適度な筋力トレーニングは痛みの軽減にとても効果的です。

なぜ筋トレが効果的なのか、その秘密は膝関節を支える筋肉にあります。

変形性膝関節症になると、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減ってしまい、炎症が起きやすくなります。この炎症が痛みを引き起こす大きな原因です。

筋力トレーニングをすることで、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)や裏側の筋肉(ハムストリングス)など、膝関節を支える筋肉が鍛えられます。これらの筋肉が強くなると、膝関節にかかる負担を軽減し、炎症を抑える効果が期待できます。

椅子に座って立ち上がる、階段を上るといった動作は、大腿四頭筋が主に働いています。この筋肉が衰えると、立ち上がる際に膝に負担がかかりやすくなり、痛みが増してしまうのです。

また、筋トレによって血行が促進されると、膝関節まわりの組織への酸素や栄養の供給が向上します。老廃物もスムーズに排出されるため、炎症の治まりも早まり、結果的に痛みが和らぎます。

さらに、適度な筋トレは、膝の安定性を高める効果も期待できます。ぐらつきがちな膝関節をしっかり支えられるようになると、日常生活での動作も楽になります。

しかし、JAMAに掲載されたMessier SPらの研究(2021)では、高強度の筋力トレーニングは、低強度の筋力トレーニングや注意コントロール群と比較して、18ヶ月後の膝の痛みや膝関節圧迫力を有意に軽減しなかったと報告されています。

つまり、闇雲に激しいトレーニングを行うのではなく、”適切な負荷”でトレーニングを行うことが重要です。

変形性膝関節症に効果的な筋トレと注意点

変形性膝関節症に効果的な筋トレとして、自宅で簡単に行える5つの運動ととジムでのおすすめマシンをご紹介します。

また、適切な負荷の目安や回数、注意点についても解説していきます。

変形性膝関節症に効果的な筋力トレーニングの種類5選

変形性膝関節症に効果的な筋トレとして、自宅で簡単に行える5つの運動をご紹介します。

高齢者の方でも無理なく取り組める内容になっていますので、ぜひ試してみてください。

椅子からの立ち上がり座り: 椅子に浅く腰掛け、ゆっくりと立ち上がります。次に、再びゆっくりと座ります。これを10回繰り返すと、1セットです。

つま先立ち: 壁などに手をついてバランスを取りながら、ゆっくりとつま先立ちになります。5秒間キープした後、ゆっくりとかかとを床に戻します。これを10回繰り返すと、1セットです。

足を伸ばして持ち上げ: 仰向けに寝て、片方の足を伸ばしたままゆっくりと持ち上げます。5秒間キープした後、ゆっくりと足を床に戻します。これを左右それぞれ10回繰り返すと、1セットです。

膝の曲げ伸ばし: 椅子に座り、片方の足を伸ばします。そのまま膝をゆっくりと曲げ伸ばしします。これを左右それぞれ10回繰り返すと1セットです。

タオルを使った膝裏伸ばし: 仰向けに寝て、片方の足の裏にタオルをかけます。タオルの両端を手で持ち、ゆっくりと足を伸ばします。10秒間キープした後、ゆっくりと元に戻します。これを左右それぞれ3回繰り返すと1セットです。

上記いずれの運動も、1日に2~3セット行うのが理想です。

ジムでのおすすめマシンとその使い方

ジムには、変形性膝関節症の方にも安全に使えるマシンがいくつかあります。

理学療法士やトレーナーなどの専門家の指導を受けながら、適切な使い方を覚え、安全に運動を行いましょう。

  • レッグプレス: 椅子に座った状態で足でプレートを押すマシンです。膝への負担が少ないため、初心者の方にもおすすめです。
変形性膝関節症 トレーニング
  • レッグエクステンション: 椅子に座った状態で足を伸ばすマシンです。太ももの前の筋肉を効果的に鍛えることができます。
変形性膝関節症 トレーニング
  • レッグカール: うつ伏せに寝て足を曲げるマシンです。太ももの裏側の筋肉を鍛えることができます。
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  • エアロバイク: ペダルを漕ぐことで、自転車に乗っている時と同じような運動効果が得られるマシンです。膝への負担が少なく、有酸素運動にもなります。
変形性膝関節症 トレーニング

効果的なセット数と回数のガイドライン

筋トレは、無理なく続けられることが大切です。

急に激しい運動を行うと、膝を痛めるリスクが高まります。

最初は少ない回数から始め、徐々に増やしていくようにしましょう。

  • 1セットの回数: 10回程度を目安に、無理のない範囲で行いましょう。
  • セット数: 2~3セット行いましょう。
  • 頻度: 週に2~3回程度行うのがおすすめです。毎日行う必要はありません。
  • 痛みがある場合: 痛みがある場合は、無理せず中止しましょう。痛みが続く場合は、医師に相談してください。

注意が必要な筋トレの副作用とリスク

筋トレは、適切に行えば安全な運動ですが、間違った方法で行うと、膝を痛める可能性があります。

  • 痛みが出る: 筋トレ中に痛みが出た場合は、すぐに中止しましょう。
  • 炎症が悪化する: 炎症が強い時期に激しい運動を行うと、症状が悪化する可能性があります。
  • 怪我をする: 無理な姿勢や重い負荷で筋トレを行うと、怪我をする可能性があります。

安全に筋トレを行うためには、専門家の指導を受けることが大切です。

ご自身の体力や症状に合わせた適切な運動プログラムを作成してもらいましょう。

松本 和樹
松本 和樹

負荷の適切な設定方法

筋トレの負荷設定は非常に重要ですが、多くの患者さんは「どのくらいきつくすればいいのか」を悩みます。私は10段階の主観的運動強度で「3〜4」程度の「少しきついけど会話できる程度」の負荷が最適だと考えています。

特に印象的だったのは、「とにかくきつくしないと効果がない」と考えて高負荷のトレーニングを行い、症状が悪化した40代男性のケースです。適切な負荷に調整したところ、4週間後には症状が改善し始めました。

私はいつも「軽い負荷でも継続すれば効果があります。無理は禁物です」と強調しています。変形性膝関節症の筋トレでは、強度よりも頻度と継続性が重要なのです。

変形性膝関節症の予防と進行を遅らせる方法

階段の上り下りや立ち上がる時など、膝に負担がかかる動作で痛みが増すことはありませんか?実は、変形性膝関節症は、加齢とともに誰にでも起こりうる、いわば膝の老化現象なのです。

しかし、だからといって諦める必要はありません。毎日の生活習慣を少し見直すだけで、変形性膝関節症の進行を遅らせたり、症状を軽くしたりすることができるのです。痛みが本格的にひどくなる前に、できることから始めてみませんか?

日常生活で気をつけるべき習慣3つ

変形性膝関節症の予防と進行を遅らせるためには、日常生活での何気ない行動に気を配ることがとても大切です。具体的には、次の3つのポイントに注目してみましょう。

  1. 適度な運動: 歩くことは、一見膝に負担をかけているように感じますが、実は適度な運動は膝関節の健康維持に不可欠です。ウォーキングや水中歩行など、膝への負担が少ない運動を続けることで、膝周りの筋肉が鍛えられ、関節を支える力が強くなります。特に、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は、膝を安定させるために重要な役割を果たしています。この筋肉が衰えると、膝関節への負担が増し、痛みや変形の進行につながりやすくなります。


    人工膝関節置換術においても、術後の満足度を高めるためには、適切なリハビリテーションを通して筋力トレーニングを行うことが推奨されています。これは、術後の回復を早めるだけでなく、長期的な膝関節の機能維持にも役立ちます。


    水中歩行は、浮力によって膝への負担が軽減されるため、変形性膝関節症の方にもおすすめの運動です。プールで歩く際には、水の抵抗を利用してゆっくりとしたペースで行うことがポイントです。


  2. 体重管理: 体重が増加すると、膝関節にかかる負担も比例して大きくなります。1kgの体重増加は、歩行時に膝に3~6kgの負担をかけるという報告もあります。肥満は変形性膝関節症の大きなリスク要因の一つです。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、適正体重を維持しましょう。


  3. 正しい姿勢: 立っている時や歩いている時に、猫背になったり、膝が内側に入ってしまうと、膝関節に不均等な力が加わり、負担が増大します。正しい姿勢を意識することで、膝への負担を軽減し、変形の進行を抑制することができます。


    具体的には、背筋を伸ばし、顎を引いて、膝頭を正面に向けるように心がけましょう。靴底の減り方が左右で異なる場合は、姿勢の歪みをチェックする良い指標となります。

食事が膝に与える影響とおすすめの栄養

変形性膝関節症の予防や進行抑制には、食事の内容も大きく関わってきます。特に、軟骨の健康を維持するために必要な栄養素を積極的に摂取することが重要です。

  • グルコサミン・コンドロイチン: これらは軟骨の構成成分となる重要な栄養素です。エビ、カニなどの甲殻類、鶏の軟骨などに多く含まれています。これらの食品を積極的に食事に取り入れることで、軟骨の修復や再生を促進し、膝関節の健康を維持することができます。


  • コラーゲン: コラーゲンは、軟骨や骨、皮膚など、体の様々な組織を構成するタンパク質の一種です。鶏肉、魚、豚肉などに多く含まれています。コラーゲンを摂取することで、軟骨の弾力性や強度を維持し、変形性膝関節症の進行を抑制する効果が期待できます。


  • ビタミンD: ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨を丈夫にするために不可欠な栄養素です。鮭、さんまなどの魚、きのこ類、卵などに多く含まれています。ビタミンDが不足すると、骨が弱くなり、変形性膝関節症のリスクが高まる可能性があります。


これらの栄養素をバランスよく摂取することで、膝の健康を総合的にサポートすることができます。

サプリメントで補うことも一つの方法ですが、まずは毎日の食事からこれらの栄養素を意識的に摂取するように心がけてみましょう。

医療機関での定期的なチェックの重要性

変形性膝関節症は、初期段階では自覚症状がほとんどない場合もあります。そのため、症状が軽微なうちに、定期的に医療機関で検査を受けることが早期発見・早期治療につながります。

少しでも膝に違和感を覚えたらすぐに整形外科を受診し、レントゲン検査などで膝の状態を詳しく診てもらいましょう。早期に適切な治療を開始することで、進行を遅らせ、日常生活への影響を最小限に抑えることが期待できます。

補助器具の適切な使い方

杖やサポーターなどの補助器具は、膝への負担を軽減し、痛みを和らげるのに効果的です。しかし、自分に合った補助器具を選ばないと、逆に症状を悪化させてしまう可能性もあります。医師や理学療法士に相談し、適切な補助器具を選び、正しい使い方を指導してもらいましょう。

例えば、杖を使う場合、杖を持つ手の反対側の足と同時に杖を出すようにすると、歩行がより安定します。

また、サポーターは膝関節を固定することで痛みを軽減しますが、長時間使用すると筋肉が弱ってしまう可能性があります。適切な使用時間や使用方法を守ることが大切です。

まとめ

変形性膝関節症 筋トレ

今回の記事では、自宅で簡単にできる変形性膝関節症に効果的な筋力トレーニング5選と、ジムでおすすめのマシンと使い方、日常でできる予防策をご紹介しました。

紹介したトレーニングは、高齢者の方でも無理なく行える内容となっていますので、ぜひ今日から始めてみましょう。 ただし、痛みを感じる場合は無理せず中止し、医師に相談してくださいね。

また、紹介したトレーニング以外にも、ジムのマシンを使ったトレーニングや、日常生活での注意点、そして栄養バランスの良い食事にも気を配ることで、変形性膝関節症の予防や進行抑制に繋がります。

痛みを我慢せずに、今日からできることから始めて、健康な膝を維持しましょう。 少しでも不安な方は、整形外科医への受診を検討してみてください。 健康な毎日を送るために、一緒に頑張りましょう!

参考文献

  1. Karasavvidis T, Pagan Moldenhauer CA, Haddad FS, Hirschmann MT, Pagnano MW, Vigdorchik JM. “Current Concepts in Alignment in Total Knee Arthroplasty.” The Journal of arthroplasty 38, no. 7 Suppl 2 (2023): S29-S37.
  2. Messier SP, Mihalko SL, Beavers DP, Nicklas BJ, DeVita P, Carr JJ, Hunter DJ, Lyles M, Guermazi A, Bennell KL, Loeser RF. “Effect of High-Intensity Strength Training on Knee Pain and Knee Joint Compressive Forces Among Adults With Knee Osteoarthritis: The START Randomized Clinical Trial.” JAMA 325, no. 7 (2021): 646-657.
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